注文住宅に屋根裏部屋をつくるメリット・デメリットを解説
屋根裏部屋は、さまざまな用途に活用できる、どこか心をワクワクさせてくれる部屋です。しかし、屋根裏部屋を住宅に設ける場合は、そのメリットとデメリットをきちんと把握することが大切です。本記事では、注文住宅における屋根裏部屋について詳しく解説します。本記事の内容が、屋根裏部屋の導入を検討している人の参考になれば幸いです。
そもそも屋根裏部屋とは?
屋根裏部屋は、一般的に屋根と天井の間に位置する勾配天井の小さな部屋を指しますが、法律上は物置きとして定義されています。
建築基準法によれば、屋根裏部屋やロフトは物置きとしての用途に限定されます。個人がその空間を「部屋」として使用することは自由ですが、いくつかの制限があることに注意しましょう。具体的には、屋根裏部屋の天井高は1.4mまでとされており、この高さでは人が立つことができません。
また、広さについても、下の階の面積の2分の1未満という制限があります。さらに、昇降のために取り外し可能なはしごを設置する必要があり、固定の階段を設けることはできません。これにより、屋根裏部屋は主に収納スペースとして利用されることになります。ただし、屋根裏部屋の条件を超えた場合は、屋根裏に居室を設けることが可能です。
しかし、この場合屋根裏は「階」として扱われます。たとえば、2階建ての家の屋根裏に居室を作ると、それは法律上の3階に相当します。この変更は、建物の構造上の基準や固定資産税、保険料にも影響を与えるため注意が必要です。さらに、屋根裏部屋は床面積に含まれないものの、階として扱われる場合は床面積に加算されます。
そのため、屋根裏空間を有効活用するためには、物置きとしての屋根裏部屋を設置することが望ましいです。一方で、屋根裏部屋はあくまでも収納スペースであり、地域の条例により窓や水まわりの設置が制限される場合が多いです。
収納以外の用途や窓の設置を希望する場合は、階に該当する居室を検討することが推奨されます。屋根裏部屋の利用を考える際には、法律や地域の規制を理解し、計画的に進めることが重要です。
屋根裏部屋をつくるメリット・デメリット
屋根裏部屋は、家の中に非日常的な空間や追加の収納スペースを提供するため、憧れを抱く人が多いです。
しかし、実際に屋根裏部屋を設ける際には、そのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
メリット
まず、余分な収納スペースを確保できる点です。
これにより、家の中がすっきりし、安心感が生まれます。また、屋根裏部屋を設けることで、視覚的に部屋を広く見せる効果も期待できます。特に子どもがいる家庭では、屋根裏部屋は昇り降りできる楽しい空間となり、新居に屋根裏部屋を作りたいという願望が強まることが多いです。
デメリット
大容量の収納スペースとしての利用を考えている場合、昇降方法についてしっかり考慮する必要があります。
屋根裏部屋には固定の階段を設けることができず、昇降は取り外し可能なはしごなどを使うことになります。そのため、高さがある場合、かなりの労力を要するでしょう。年に数回程度の荷物の上げ下ろしには適していますが、重いものや頻繁に使用するアイテムの収納には不向きと言えます。
さらに、日常的な掃除に関しても注意が必要です。たとえハンディタイプの掃除機を使用しても、屋根裏部屋への昇降は意外と大変です。掃除機を持っての昇降は負担が大きくなるため、掃除やメンテナンスを行う際には、自分の体力や能力を考慮しましょう。
屋根裏部屋を設ける場合は用途を明確にしよう
屋根裏部屋は物置きとして法律で定義されていますが、その用途は住む人のアイデア次第です。
屋根裏部屋を「開かずの間」として活用せず、事前に具体的な利用方法をイメージすることが重要です。
収納部屋として利用する場合
収納部屋として利用する場合は、クローズドな空間にすることが一般的です。
しかし、物を置きすぎると昇降が大変になるため、オープンな設計にすることも一つの方法です。このようにすることで、下の階と一体感が生まれ、空間が広く感じられる効果があります。また、物を多く置かないことで、本を読んだり休憩したりできる「隠れ家」としても利用可能です。
子どもの遊び場として利用する場合
子どもの遊び場としての利用も魅力的です。
屋根裏部屋は、はしごを昇ったり高い場所から見下ろしたりする楽しさがあり、子どもたちにとって特別な空間となります。しかし、安全面への配慮は必須です。通常の階段の手すりの高さは1.1mですが、屋根裏部屋の場合は手すりは30〜50cm程度が一般的です。そのため、小学生以上を使用対象にすることが推奨されます。
寝室として利用する場合
屋根裏部屋を寝室として利用する場合、天井高が1.4m以下ではベッドを置くのが難しいため、布団や薄いベッドマットを使用することになります。
和室風にするために床に畳を敷く選択肢もあります。ただし、昇降に不便が生じるため、特に年齢が若い場合は注意が必要です。
まとめ
屋根裏部屋は住宅にユニークな空間を提供し、さまざまな用途に活用できる魅力的な場所です。しかし、法律上は物置きと定義されており天井高や広さに制限があるため、計画的な利用が求められます。屋根裏部屋のメリットとしては、余分な収納スペースが確保でき、部屋を広く見せる効果があります。特に子どもたちにとって、遊び場としても楽しめる要素がある一方、昇降方法の不便さや掃除の手間といったデメリットも考慮しなければいけません。屋根裏部屋の用途を明確にし、具体的な活用法を事前にイメージすることで、その魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。